「あなたは何度、一軒家を売却したことがありますか?」
この問いかけに対して「ああ、慣れたものだよ」と返事できる人はほとんど居ないと思います。
何件もの物件を所有していない限り、ほとんどの人が一軒家を売るときは初心者なのです。
この記事では一軒家を売却する時に気を付けたいポイントを大きく4つに分けて解説します。
一軒家売却の全体的な流れ
一般的に「売却」と聞いて、どんな流れを想像しますか?
身近なものなら、たとえば読み終わった本を古本屋に売却したり。
見終わったDVDを専門店に買い取ってもらったりといった形態が多いですね。
しかし日本の不動産の売買の多くは「仲介」という形態を採用しています。
不動産会社が、売却希望者と買主との間を仲介してくれるという仕組みです。
しかし冒頭でもお話しましたが、家を売るという経験自体が初めてという人がほとんどで、どういった流れで売買されるのか把握している人のほうが少ないのです。
ざっくりとした流れを、ここで説明したいと思います。
「手順1」相場を調べる
「手順2」買主を探す
「手順3」価格交渉をして契約
まず【相場を調べる】についてです。
価格交渉をして、契約に辿り着くまでに、まずは売却を考えている物件がどれくらいの相場であるのかを調べる必要があります。
これはこの後の交渉にも活きてきますし、売却によってどれくらいの収入を見込めるのかについても概算を出しておくほうが良いためです。
相場を調べるには「国土交通省・不動産取引価格交渉情報検索」という仕組みを利用して調べる方法があります。
また家を買いたいと思っている人たちが見るサイトなどで売却を考えている物件に近い家がどれくらいの金額で売り出されているのかを見るというのも効果的です。
次に【買主を探す】について。
こちらは自分で買主を探すことももちろん可能ですが、ほとんどの人がプロの不動産会社に仲介を依頼し、買主を探してもらう方法を選びます。
自分で買主を探す場合、自分の手の届く範囲にしか交渉できないという点から思うように売却に至ることができないことが多いようです。
不動産会社に依頼すると、会社の規模にもよりますがおよそ展開している全国規模で買主探しをしてもらえます。
最後に【価格交渉をして契約】に至る時も同様です。
不動産会社で仲介依頼していると価格交渉から契約までを不動産会社にしてもらえるメリットがあります。
だいたい、このような流れで売却をすることになります。まずは自分の力で相場を調べて、おおよその相場を知ったうえで不動産会社に相談するのが最善でしょう。
一軒家を売却する時にかかる期間と費用
期間について結論から申しますと、だいたい最低でも半年ほどの期間を見た方がいいと言われています。
ただしこれは買主が早めに見つかった場合です。
買主が現れなければ、その分どうしても期間は伸びてしまいます。
相場を調べてから不動産会社を選び、媒介契約を締結するのに半月ほどかかります。
そこから購入希望者が現れてくれるまでの期間、伸びます。
早くて3か月ほどで見つかれば…というくらいに考えておいたほうがよさそうです。
購入希望者と売買契約の締結手続きに半月ほどかかります。
ここには価格などの詳しい条件の交渉期間も含んでいるため、ここが難航することもあります。
売買契約から決済まで1か月ほどかかると言われています。
これは購入希望者の分割申し込みや、それら購入に係る審査などに時間がかかるためです。
最後に引き渡しですが、これは数日からかかります。
ここまでの手続きのほうが時間がかかりますので、引き渡しが決定してからはそれほど時間がかかりません。
意外と知られていない期間については、このような形となるので、急ぎ売りたいと思っても半年ほどは見たほうがよさそうですね。
また家を売却するときには、ただ仲介の依頼をして待つだけではなく費用もかかります。
仲介手数料や、各種税金がかかりますし、今住んでいる一軒家を売却する場合は次の新居への引っ越し代も必要となります。
税金は購入した時よりも売値が高額となると発生し、購入した時よりも売値が安価であれば発生しない仕組みとなっています。
譲渡所得計算をしたうえで所有年数を確認し、所得税や住民税を計算するなど計算方法があります。
ひとつずつ確認していくのは大変ですが、これも不動産会社に仲介を依頼するメリットのひとつとして、このあたりの説明も詳しく受けることができます。
売却したあと譲渡益が発生すると、確定申告も必要となります。
見落としがちですので、しっかり確認しなければなりません。
これら税金や確定申告についても不動産会社が教えてくれるのですが、予めそのような費用が必要となることを知っておきましょう!
スピーディに高額に売却するコツ
早く売れてほしい、しかも少しでも高く買い取ってほしい。
誰もがそう思って売却します。
早く売れる物件とは、どのような物件でしょうか?これは簡単に「自分が物件を眺めていて、ここに住みたいと思える条件が揃っている物件」です。
ほかの人たちも同じく、日当たりがよくて、駅までアクセスがよくて…など、条件を様々考えています。
また高額で売却するためには、物件の相場をしっかりと確認しておくこと、そしてその物件の魅力を前面に押し出して売り込むことです。
魅力のない(あるけど伝わっていない)物件には値段もつきませんし、売れるまで時間がかかってしまいます。
物件の売却を得意としていて、取り扱い実績のしっかりしている不動産会社を選ぶことも重要となってきますね。
近所だから、などという理由で不動産会社を安易に決めないことが肝要です。
ホームクリーニング、リフォームなどをすることで物件に魅力をもたせることも高く売るためのコツです。
うっかり見落としがちな注意点
一軒家を売りに出すと、購入希望者がどんな家だろうと検討材料にするために物件の見学に来ます。
手続きも手順を踏んで、仲介してくれる不動産会社も頼れるところを見つけて、完璧。
…と思っていたら、見学に来た人から「こんな物件ならやっぱりやめておこうかな」とガッカリされてしまうケースもあります。
見学に来る前にしっかりやっておきたいこと、それは「一番よい状態を見てもらうこと」です。
・物件の室内を整理しておく
・水回りの掃除
・室内が明るく見える照明に交換
これらは見落としがちですが、見学に来た人の第一印象として残ります。
薄暗い家に住みたいと思うでしょうか?水回りが汚れているのが気になる人もいますよね?
そういった「今から買おうとしている人の目線」で物件を整えておく必要があります。
これは意外と見落としがちですので、可能な限り意識してください。
また庭やベランダ、玄関回りなども物件を見るうえでの第一印象に深く残りますので注意しましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
意外と知られていないことですが、どれも大切なことです。
ここの意識をしているかどうかで、売れるまでの期間や金額も大きく変わります。
自分がこの物件を買うなら、どんなところを確認するだろう?
そんな買い手目線での確認を何度もすれば、思わぬところに発見があることもあります。
またプロの不動産会社に何度も相談することも重要です。わからないことがあれば、理解できるまで何度でも質問しましょう。
ほとんどの人が家を売る初心者であることを不動産会社の人もしっかり理解しています。
どんどん頼ってくださいね。